今でも忘れられない、1番言われたくない言葉を聞いたあの日。
今回は、2年ほど付き合った彼とお別れた時のことを書いています。
彼との出会い
職場が同じだった男友達に紹介してもらいました。
4歳年下でしたが、とてもしっかりしていました。
彼と付き合いだした時、彼は早く結婚したいと言っていました。
私も早く結婚したいと思っていました。
だからプロポーズしてくれるのも早いかなーと期待していました。
出会った当初、彼が仕事を始めたばかりということもあって、落ち着くまで待っていた感じでした。
付き合い始めの頃は同棲の話も出ていたけれど、結局しませんでした。
最初におかしいなと思った日
ある5月のこと。
私は当時一人暮らしをしていました。
週末に実家に戻り、友達の結婚式の2次会に参加していました。
次は私かなーなんて、呑気に想像していました。
幸せな気持ちで彼にメールをしました。
今まで、1日に1回は必ず電話かメールで連絡をとりあっていたのに、
その週末は1度も連絡がありませんでした。
ちょっとだけ、あれ?と思いましたが、もう2年以上も付き合っていたし、
お互いの信頼からくるもので、
そういう時期に差し掛かったのかな、と軽くしか考えていませんでした。
休日が終わり、週明けの夜、彼からメールがきました。
「今週末、話したいことがあるから会ってくれへん?」
いつも、そんなかしこまって連絡をとりあわないので、大事な話をしたいんだなということは分かりました。
GWに、彼の故郷に一緒に旅行に行ったので、
ついに親に挨拶に行こう、というような話かなと、
どちらかというと、良い方の大事な話かなーと思っていました。
まさか、別れ話だとは全く思っていませんでした。
別れた日
当日。
私はその日仕事だったので、仕事が終わってから彼の家の最寄り駅で下車しました。
いつも駅の改札まで迎えにきてくれる優しい彼。
彼を見つけて、いつものように笑顔でかけよりました。
でも彼は、私の目を見てくれませんでした。
笑顔もなく、暗い顔をしていました。
あからさまによそよそしい態度。
微妙な雰囲気をすぐに肌で感じました。
いつもは、私のペースに合わせて歩いてくれる彼。
でも、私よりも1歩も2歩も先に歩き、いつもより歩くペースも早く感じました。
あきらかに、いつもとは違う彼に、私は、
「どうしたん?何かあったん?」
少し小走りで彼に駆け寄って、
うつむき気味な彼の顔を覗き込むように尋ねました。
その時は、何か病気が発覚したとか、借金してしまったとか、
そういう類の話かなと思っていました。
でも彼は、何も話さずに、辛そうな表情で目に涙を浮かばせました。
10分ほどの距離がとても長く感じました。
その時、別れ話だとピンときました。
彼は無言のまま、うつむきながら歩き続けていました。
私は彼の背中を見ながら、なぜこんな日が来てしまったのかと、
状況を飲み込めずにいました。
悲しいとか、辛いとか、そんな感情はまだなくて、
頭の中がハテナで埋め尽くされていました。
彼の家に到着するまでの間、ずっと無言で、ただただ、歩きました。
泣き出す彼
家に到着しても、彼は一言も喋らず、無言のままでした。
私は、どう切り出されるのかが怖くて、その雰囲気に耐えることができず、
しばらく、どうでもいい天気の話や、仕事の話をしました。
でも、ずっと彼が底なしに暗くて、今にも壊れてしまいそうだったので、
仕方なく、私から切り出すことにしました。
「・・・別れ話なんやな。」
私はもう取り繕う元気もなくなってしまって、そう言いました。
すると、彼は無言でうなづきました。
そして、うぅ、うぅ、と泣き出しました。
私は、本当にその日まで別れようと思っているなんて1ミリも感じていなかったので、
素直に、素朴に、なぜなのかと疑問が浮かびました。
「ずっと悩んでた」
やっと彼が口にした言葉でした。
そこからは、泣きじゃくる彼をなだめるかのように、私が質問をして、彼がそれに答えていく、という不思議な時間が続きました。
泣きたいのはこっちですけど。
あまりにも泣く彼が可哀そうに思えてなりませんでした。
選ばれなかった、ただそれだけ
別れ話の中で驚いたのは、
3ヵ月ほど前からお揃いの指輪を外していたり、
そっけない態度をとっていたりしていたらしいです。
全然気づいていませんでした。
休日に、私が泊まりにきているのに仕事があると出て行ったり、
疲れたから早く寝ると言ったりしていたのは、
そういうことだったのかと、
点と点が繋がりました。
別れを選んだ理由を聞き出しました。
以前から、同期の女性のことが好きで、
一度フラれてしまって、忘れなくてはと思い私と付き合うようになったらしいです。
でも、仕事を通じて仲は深まっていって、
彼女をほっておけなくなったらしいです。
「だから、君とは結婚できない。」
今まで、泣きながらほとんど話してなかったくせに、
しっかりと、はっきりと、そう言われました。
そう言われて、
その言葉がショックで、
そこから、一気に悲しさと怒りと苦しみの感情が押し寄せてきました。
一刻も早くこの場から立ち去りたくなりました。
選んでもらえなかった自分が惨めすぎて、
彼の変化に気付けなかった自分が情けなさすぎて、
彼の優しさに甘えて努力していなかった自分が嫌すぎて、
彼と結婚する未来しか考えていなかった未来が絶望すぎて。
彼の家に置きっぱなしにしていた化粧品などを、
そのへんにあった紙袋に詰め込んで、
忘れ物をチェックする余裕なんてまったくないまま、
その部屋から出ようとしました。
最後にどうしても家まで送らせてほしいというので、
仕方なく彼の車に乗って家まで送ってもらいました。
地獄のドライブ10分間。
絶対彼の前で泣きたくなかった。
私ができる精一杯の強がりでした。
私は必死に涙をこらえながら、できるだけ頭を真っ白にしようと窓の外の景色を眺めていました。
私の家の前に到着して、
一刻も早くこの状況から逃げたくて、
「ごめん」ってたぶん彼は言ってたと思うけど、
振り払うように、ありったけの元気を振り絞って「ありがとう、バイバイ」って車のドアを閉めました。
それから、玄関のドアまで、一度も振り返らずに突き進みました。
後日談
後から共通の男友達と話をする機会があって、
彼について聞きました。
彼は、すごく悩んでくれていたみたいです。
その友達にも相談していたみたいです。
私といると、すごく居心地が良くて、楽。
彼女は、俺がいないとダメだと思ってしまう、ほっておけない。
どっちを選べばよいのか、と。
今なら、私のダメだったことろもわかるし、
彼の本当の寂しさに寄り添うことができていなかったと思います。
でも、当時の私は、それに気付けていなかった。
悔しくて、絶対私といた方がよかったって、後悔させてやりたいと思っていました。
その後、1年もしないうちに結婚したことを知りました。
私は、ダブルパンチをくらった気分になりました。
完全に負けた気分を味わいました。
彼女とは会ったことはありませんでしたが、
同期に叶うわけないやんって、毎晩泣きました。
彼から学んだこと
どれだけ親しくなっても、努力は惜しんではいけないこと。
甘えることと、だらけることは違うということ。
そして、永遠に好きでいるなんてことは、ないってこと。
誰のせいでもない、彼は心に素直に従っただけだということ。
本気で好きでした。
だから本気で辛かったし、その時はもう人生終わりと思いました。
でも今は、フラれた絶望感を味わうことができて、
人生のどん底を味わうことができて、
彼にはとても感謝しています。
私と出会ってくれてありがとうって、
もしも会うことができたら、心の底から言えます。
そう思うことができるようになれて、良かったです。
めちゃくちゃ時間はかかったけど。
君とは結婚できない。
当時、一番の目標で夢にしていた結婚を、はっきりと拒絶された時は、とても傷つきました。
あの時の傷跡が、今でも時々うずきます。
忘れられないし、忘れる必要はないと今は思えます。
最初の頃は私を選ばなくて、後悔していればいいなと思っていました。
今は、幸せに暮らしていたらいいなーと思えるようになりました。
それはきっと、私もやっと自分に正直に生きられるようになったからだと思います。
そう思える時が来るまで、自分の心と真っ向から向き合ってきました。
自分自身のことを心から好きになれたら、傷つけられた相手のことを必ず許せる時がくると思います。
あなたのありのままで。
セルフラブです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
またきてね♪